写真の解像度

写真の焼き付けはフィルムフォーマットの縦横2倍(面積比4倍)までを引き延ばしの限界とする(一般的にそうらしい)。


フィルムを置き換える場合に必要なデジタルカメラピクセル数を考えてみる。
仮に600dpiとした場合…

  • 35mmフィルム(135フォーマット)

縦24*2/25.4*600=1133.858
横36*2/25.4*600=1700.787
→1134pixel*1701pixelが必要。

縦41.5*2/25.4*600=1960.63
横56*2/25.4*600=2645.669
→1961pixel*2646pixelが必要。

    • 6*6:56mm*56mm

縦56*2/25.4*600=2645.669
横56*2/25.4*600=2645.669
→2646pixel*2646pixelが必要。

    • 6*7:56mm*69mm

縦56*2/25.4*600=2645.669
横69*2/25.4*600=3259.843
→2646pixel*3260pixelが必要。

    • 6*9:56mm*82.6mm

縦56*2/25.4*600=2645.669
横82.6*2/25.4*600=3902.362
→2646pixel*3902pixelが必要。

  • シートフィルム
    • 4*5in:95mm*120mm

縦95*2/25.4*600=4488.189
横120*2/25.4*600=5669.291
→4488pixel*5669pixelが必要。

    • 8*10in:194mm*245mm

縦194*2/25.4*600=9165.354
横245*2/25.4*600=11574.80
→9165pixel*11575pixelが必要。


以上を表にすると以下のようになる。

フォーマット 縦解像度(pixel) 横解像度(pixel) 縦出力サイズ(mm) 横出力サイズ(mm)
イカ判:24mm*36mm 1134 1701 48 72
6*4.5:41.5mm*56mm 1961 2646 83 112
6*6:56mm*56mm 2646 2646 112 112
6*7:56mm*69mm 2646 3260 112 138
6*9:56mm*82.6mm 2646 3902 112 165.2
4*5in:95mm*120mm 4488 5669 190 240
8*10in:194mm*245mm 9165 11575 388 490
  • 一般的な紙のサイズ(参考)
フォーマット 縦(mm) 横(mm)
L判 89 127
ハガキ 100 148
B6 128 182
B5 182 257
A5 148 210
A4 210 298


ただし、印刷の場合は、正方形に並んだ4ピクセルから1ドットを生成するので、
原稿段階では最終的な希望する出力解像度の縦横2倍のピクセル数が必要らしい。
したがって、以上の数値は最終出力としては300dpiを目指したものになる。


ちなみに、現在一般的なデジタル一眼レフカメラ(DSLR)の縦横のピクセル数は、

  • Canon
    • EOS 30D・20D(APS-Cサイズセンサー・約820万画素):2336*3504
    • EOS KissデジタルX・OS Kiss F(APS-Cサイズセンサー・約1010万画素):2592*3888
    • EOS Kiss X2(APS-Cサイズセンサー・約1220万画素):2848*4272
    • 40D(APS-Cサイズセンサー・約1010万画素):2592*3888
    • EOS 5D(ライカ判サイズセンサー・約1280万画素):2912*4368
    • EOS-1D Mark IIN(APS-Hサイズセンサー・約820万画素):2336*3504
    • EOS-1D Mark III(APS-Hサイズセンサー・約1010万画素):2592*3888
    • EOS-1Ds Mark II(ライカ判サイズセンサー・約1670万画素):3328*4992
    • EOS-1Ds Mark III(ライカ判サイズセンサー・約2110万画素):3744*5616
  • SIGMA
    • SD14(APS-Cサイズセンサー(13.8mm*20.7mm)・約1406万画素):1768*2652(JPEGでは3072*4608)
  • Mamiya
    • Mamiya ZD(36mm*48mm・ 約2130万画素):4000*5328


現在のDSLRはライカ判を基準にしているので、
画面の縦横比が2:3のものばかりという点は注意が必要だが、
例えば1200万画素クラスのものになると、
先の表におけるブローニーフィルム使用の6*9(56mm*82.6mm)を凌駕するものとなる。
現在の民生用DSLRはフィルム原板からあまり引き延ばして焼き付けないことを前提として比較した場合、
既に中判フィルムクラスの解像度を誇っている。
Mamiya ZDに至っては4*5in(95mm*120mm)に迫る勢いである。


今回の検討では、引き延ばしをフィルムの撮影面積の4倍までとしているので、
実際さらに大きく引き延ばす際には、
DSLRの画像の場合大きさに比例して解像度が下がってしまうことを考慮しなければならない。


もちろん、フィルムの方も感光剤の粒子サイズという物理的限界や、
現実的なフィルム粒状感による引き延ばし限界*1があることも気をつけなければならない。


現状ではデジタル画像も急速な勢いで解像度を増してきている。
解像度だけで比較すれば既に中判フィルムクラスに迫っていることは先に示したとおりである。
しかし、解像度以外の要素としてラチチュードの問題なども存在する*2
今後も継続して情報収集を行い、チェックしていきたい。

*1:我が家におけるフィルムスキャンでは、ライカ判フィルムの場合、例えばリバーサルフィルムだと2700dpiでスキャンすると粒状感が目立ち始め、それ以上(ウチの機械であるDimage Scan Elite 5400 IIだと5400dpiまでいける)の解像度でスキャンしても粒状感が増える一方で見かけの解像度が高くなることはない。

*2:デジタルカメラのラチチュードは非常に狭いと言われるが、フィルムでもリバーサルフィルムの場合は狭いのも事実である。その差がどのくらいなのかも調べてみたい。